自然災害の多い日本。東日本大震災などをうけて、家庭に防災グッズを常備し始めた人も多いはず。
しかし市販の防災グッズは、乾パンや懐中電灯など基本的に大人が避難することを想定したグッズばかりですよね。赤ちゃんのいる家庭はどんなものを準備しておけば良いのかわからない!なんて人も多いのでは?
今回はそんな人たちのために、赤ちゃんと避難する際に必要なグッズや、持っていると安心なお役立ちグッズを紹介します。
1.日用品編
まずは生活に欠かせない日用品から。
オムツ
避難所などで生活することを想定して、3日分ほどを準備しておきましょう。
携帯用おしりふき
普段使っているおしるふきとは別に、コンパクトな携帯用のおしりふきを準備しておくと便利。
肌着、洋服
肌着は3〜4枚ほど、洋服や靴下は1セットほど準備しましょう。普段使う肌着とは別にあらかじめ防災バッグなどに入れておくと便利です。
タオル
バスタオルを2〜3枚、フェイスタオルは5枚前後。
バスタオルはオムツ替え用のマットやお昼寝の際のかけ布団代わりにもなります。3ヶ月以下の小さい赤ちゃんの場合は、寝かしつけのためのおくるみにもできるので多めに準備するのがオススメです。
2.食事編
次は、こちらも絶対に欠かせない食事についてです。
粉ミルク
かさばらないキューブやスティックタイプが便利。こちらも3日分ほど準備しましょう。
災害時は物資がなかなか届かないこともあり、ママの栄養状態にも影響がある可能性を考えて、母乳で育てている場合でも準備しておくことをオススメします。
哺乳瓶
軽いプラスチック製のものでも良いですが、消毒のいらない使い捨てタイプがオススメです。
消毒の必要な容器の場合は、煮沸などの必要ない錠剤タイプの消毒剤も一緒に準備しましょう。
離乳食
5〜6ヶ月以降の赤ちゃんの場合は離乳食も欠かせません。
保存出来る環境が整っていない場合も多いので、少し多めに準備しておきましょう。
市販の離乳食の場合、未開封で1年半ほどもつので、こちらもあらかじめ防災バッグの中に入れておいても問題ありません。
スプーン、マグカップ
マグカップは普段使っているものとは別に、プラスチック製のものを準備しておきましょう。
スプーンはコンビニなどでもらって余っているスプーンなどを準備しておくと、手軽で衛生的にも安心です。
赤ちゃん用おやつ
慣れない避難所生活では、グズグズが多くなりがち。普段から好きなおやつを準備しておいてあげると赤ちゃんも喜びます。
授乳ケープ
避難所など、授乳スペースが確保できない場合に便利です。
3.その他お役立ちグッズ
ここからは持っておくと便利なグッズを紹介。どれも普段買い物しているお店で購入でき、かさばらないものを集めてみました。
携帯用ホッカイロ
防寒用はもちろん、冷たい水しか確保できない場合のミルク温め用としても使えます。
おしゃぶり
多くの人が一緒に寝起きする避難所での赤ちゃんのぐずり対策に。普段おしゃぶりを使わない場合も一個持っておくと安心です。
おもちゃ
こちらも赤ちゃんのぐずり対策に準備しておくと便利です。音のならないタイプがオススメ。
ベビーシューズ
避難所や外を歩く用に。最近は靴下のような素材にソールのついた柔らかいタイプもあるので、かさばらず収納できます。
ランタンなどの照明
震災時、実際に多くの子供たちが暗闇を怖がったという経験談があります。
ランタンなどの照明を準備しておくことで、子供はもちろん、大人の恐怖心を和らげることもできます。
保温用アルミシート
防寒対策のため、保温用アルミシートも準備しておくことをおすすめします。安価でかさばらず、防災バッグの中にもサッと収納することができます。
発熱剤を使った湯沸かしセット
震災時、困るのがお湯を温めたい時。
そんな時のために火や電気を使わず発熱剤でお湯を湧かせるキットなどを準備しておいても良いでしょう。
実際に震災時に赤ちゃんのミルクを作るのに苦労したという話もあります。¥ホッカイロなどがあったとしても、お湯を沸かせるセットを一つ持っておくと安心です。
防災グッズの量や置き場所は?
津波が迫っているなど、災害の状況によっては、即座に避難しなければいけないこともあります。いざという時は子供を抱いて避難することも考えると、両手は開けておく必要があり、持ち出せる荷物はリュックサック1つ程度に納めることをおすすめします。
非常時に持ち出すものに優先順位を付け、持ち出し用のリュック等にひとまとめにして置きましょう。
非常時の持ち出し品を棚の奥などにしまってしまうと取り出すのに時間がかかります。玄関の収納スペースなど、探すことなく取り出せる場所に保管し、家族全員でその場所を知っておきましょう。車のトランクを活用してもOK!
実際の震災体験者の声は?
それでは実際に震災を体験した人たちにはどんな苦労があったのでしょうか?決して人ごとと捉えず、実際の体験談に耳を傾けてみましょう。
いざ自分が震災にあったら…
心を支えるものの大切さ
- 子どもが小さいと、不慣れな環境で精神的に不安定になってしまうので、子供のおもちゃが何点かあればよいと思った。(女性 34歳 専業主婦)
- 電気が消えたことのショックを訴える子が多かった。LEDランタンなど、懐中電灯以外の「あかり」の必要性を感じた。(保育施設職員/児童館職員)
食料の大切さ
- 避難時に紙おむつとウェットティッシュをリュックに入れて避難したが、食料は飴しかもっていなかった。子供たちには飴を1つずつしか食べさせることができず、次々に移動しながら避難を繰り返したため、子どもたちはとてもおなかをすかせてとてもかわいそうなことをした。もっと食料を持って出ればよかった。この反省から震災後はいつもお菓子を持ち歩くようになった。(保育施設職員)
地域によっては、子ども用の備蓄がない!
- 震災時、避難した避難所はお年寄りが多く、小さな子供がほとんどいない地域だったので、子供のおむつや着替えなど手に入りにくかった。(女性 32歳 専業主婦)
- 大人は我慢ができるが、子供は我慢できないしさせられない。とにかく子どものものを最優先で用意しておいた方がいい。(女性 31歳 専業主婦)
日ごろのお付き合いの大切さ、ママ友のネットワークを生かして!
- 近所の人と日頃付き合いがあると、災害時に助け合えるし、心の支えになる。(女性 47歳 パート・アルバイト)
備蓄の取り出しやすさの大切さ
- 外出中に被災したが、玄関に非常用持ち出し袋を置き、中身もいろいろ入れておいたので、避難の際に不自由しなかった。玄関の収納スペースは重要だと思った。(女性 41歳 会社員)
- 普段から荷物を詰めていざという時に持ち出せるようにすることを怠っていた。今後は準備しておきたい。(女性 33歳 専業主婦)
事前の準備で、安心の毎日を
もちろん災害は起こって欲しくないものですが、避難の時慌てないためには、起こる前の事前準備が不可欠!
もしもの場合、赤ちゃんに大変な思いをさせないためにも、赤ちゃん用の防災グッズは準備しておきましょう。
まさに備えあれば憂いなし。防災グッズを揃えただけでも不安が一つ消えて、安心して毎日が送れそうですね。
この記事は、三井住友海上火災保険株式会社(協力 インターリスク総研)の情報提供の元、コモリブスタッフが執筆しています。