モンテッソーリ教育とは?家庭で取り入れる方法

普段、子どもの教育について悩んでいる人は多いでしょう。いろいろ育児書を読みながら、手探りでやっている人もいるはず。

では、「モンテッソーリ教育」というものがあるのはご存知でしょうか? 聞いたことがある人はいるかもしれません。とっても素敵な教育法なんです!

今回は、「モンテッソーリ教育」についてわかりやすく解説します。

モンテッソーリ教育って何?

「モンテッソーリ教育」というのは、イタリアで初の女性医学博士となった、マリア・モンテッソーリという人がつくった教育法です。

日本モンテッソーリ教育綜合研究所によれば、基本的な考え方は、

「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」

というもの。

つまり、子どもの自主性を重視して、大人はサポート役に徹しようよ、という考えなんですね。

 

 

モンテッソーリ教育独自の「教具」

モンテッソーリ教育には、専用の「教具」があります。考え抜かれたシンプルな教材です。例えば、上の写真のようなものが教具の例。

左の「ピンクタワー」は、数の違う10個の立方体で出来ています。感覚的に「大きい」「小さい」を学ぶことができるんです。

右の「算数棒」は、十進法の理解に役立つというものです。基本的に、どれもシンプルで美しい形をしているのが特徴的ですね。

【商品情報】
モンテッソーリ教具 感覚教育 ピンクタワー 2万6330円
モンテッソーリ教具 算数教育 算数棒(初級用) 3万5640円
(どちらも学研 shop保育CAN)

子どもが自由に過ごせるような環境づくり

モンテッソーリ教育は、幼稚園や保育園で取り入れられていることが多いです。園には、教具が各種取りそろえられていて、専門の勉強をした先生たちがいます

また、園内は整然としていて、子どもの体に合わせた道具が子どもの手の届く場所に置いてあるはず。

子どもたちの自主性を重んじる考え方なので、自由に遊んだり活動できる環境が整えられているのです。もちろん、ほかのことをする前にお片付けをすることも重要視しますから、いつもシンプルな空間になっているケースが多いです。

「正常化」されていく

イライラしやすかったり、暴力をふるってしまったり。何かを伝えたいのに上手く伝えられず、フラストレーションを抱えている子どももいますよね(我が家では、下の子が生まれたときの上の子は情緒不安定でした……)。

そんな子たちも、モンテッソーリ教育で教具や道具を使って手を動かす作業(通称「お仕事」)をすると、驚くほどやる気に満ち溢れてくるのだそうです。これを「正常化」といいます(※決してそれまでが「異常だった」という意味ではありません)。

「子どもの情緒が不安定気味……」と悩んでいるパパ・ママも、取り入れてみるといいかもしれませんね!

家庭で簡単に取り入れる方法とは?

baby-17369_1280

しかし、モンテッソーリ教育を取り入れたいと思っても、近くにモンテッソーリの園がない、都合により通わせられない、という人も多いでしょう。
整った環境やモンテッソーリ教育の資格を持っている先生がいるのがベストですが、できる限り家庭で取り入れる方法を探ってみました。

インターネットを通じて教具を購入できる

すでにご紹介した通り、教具はネット上で購入することができます。なお、なかには正規の教具でないものを販売しているショップもありますので注意しましょう。

しっかりと作られた良質なものなので、「お値段が張るなぁ」と感じる人も多いかもしれません。いきなり全部そろえるのは現実的ではないので、まずは基本的なものから揃えてみましょう。

出来る限り環境を整える

モンテッソーリ教育では、整然とした環境が整っていることが前提です。それは家庭でも同じ。大人でも何がなんだかわからないくらいおもちゃがあふれている家庭もあるのでは?(決して人のことは言えませんが。笑)

まずは、子どもが迷いなくしまったり出したりできる環境に整えてあげましょう。また、子どもの体にあわせた掃除用具や道具をできるだけそろえ、手の届くところにおいてあげる。そうすることで、子どもはどんどん自主的に動くようになっていきますよ。

親はゆっくりお手本を見せるのみ。できるだけ口出ししない

すでにお分かりの通り、大人は「サポートする人」です。前に出るのはよくありません。もちろん、「ほったらかせ」と言っているのではないんですよ!

大人ができるのは「ゆっくりと」お手本を見せることなんです。

普段、お手本を見せている人は多いと思いますが、大人がやるのと同じスピードでちゃちゃっと見せていませんか? ゆっくりゆっくり、できるだけ作業工程を分解して見せてあげるのがキモです!

そのとき、口と手を同時に動かさないことも大事らしいですよ。説明は説明。お手本はお手本でゆっくり無言で。そうすると、子どもはどんどん吸収していきます!(ウチの子で実践済みです。笑)

そして、やりはじめたら口うるさく言わない。これが一番難しいんですよね~……。でも、子どもは自分の頭で理解しないと前に進めません。「どう見ても違う!」「時間かかり過ぎ!」と思っても、本人が求めたり危険があったりしない限り、できるだけ見守ってあげましょう

 身近なもので「お仕事」をしてみよう!

しっかりと教具をそろえるに越したことはありませんが、個人の家庭で一通りそろえるのは難しいでしょう。

でも、身近なもので作れる「お仕事」もあります。

たとえば、「ぬいさし」。いわゆるお裁縫ですが、あらかじめ画用紙に絵柄を書いて穴をあけておきます。その穴をつかって子どもがプラスチックの針と毛糸などで縫っていくんです。縫い終わったら、絵が完成するというわけですね。

また、あらかじめ絵柄を書いておいた折り紙を、子どもにはさみで切ってもらうというのもいいですね。絵柄が難しければ、小さく切ってもらうだけでもOK。

そのほかにも、ひらがなや数字のブロックなどがあれば、それを順番通りにならべる、といった作業や、単純にコップに水を入れる、といった作業も集中してやるかもしれませんね。

何かピンときたものでいいので、やらせてあげてみてはいかがでしょうか。

疲れない程度に、上手に取り入れて

いかがでしたか? モンテッソーリ教育は本来綿密に開発されたものなので、家庭で完璧に実践するのは難しいものです。でも、一部分だけ取り入れるだけでも効果はあるはず! もちろん考え方・子どもへの接し方を変えてみるだけだったいいんです。

ぜひ、「これならできそう」というところから取り入れてみてくださいね。

おしゃまな5歳女児とわんぱくな2歳男児のママです。新しい場所にお出掛けして子どもが喜ぶ顔を見るのが大好き。親子で楽しめるイベントや場所を日々探しています!