1歳7か月の息子を持つパパライター、そのべゆういちです。毎日いたずらばかりで、保育園登園前は目が回るような忙しさです。
子育て中にはさまざまな悩みがつきものですが、食事は毎日のことだけに、献立に頭を抱える方は多いのではないでしょうか。
書店に並ぶレシピ本は便利ですが、メニューがたくさんありすぎてどれをつくればいいのか逆に迷ってしまうことも。
そんなパパ、ママにオススメしたい本があります。『子どもはレシピ10個で育つ。』(光文社)という本です。
「え、たった10個のレシピでいいの?」。書店でこの本を見かけた筆者は、中身も読まずに購入していました。
本当に10個のレシピで大丈夫なのか?献立に疲れないためにはどんな方法があるのか?本の概要と、本を参考にしてつくった料理をご紹介します。
メニューは、家にある食材から考える
著者は、料理研究家の上田淳子さん。双子の男の子を育ててきたお母さんでもあり、子育てで感じた食のエピソードも織り交ぜられています。
本の帯に「レシピ検索に頼らなくてももう、献立に困らない!」と書かれれているように、単なるレシピ本ではありません。内容の3分の2くらいは、献立に悩まないための考え方や、料理に使える小ワザが占めています。
上田さんが強調するのは、レシピに頼らず、状況に応じてアレンジする力。料理の度にレシピ検索し、買い物をするよりは、冷蔵庫にあるものやスーパーで見かけた特売品からレシピを発想する力を養う方がラク、という視点です。メニューから考えるのではなく、すでに家にある食材からメニューを考えるよう、ということですね。
たまたま見かけた食材やすでに家にある食材をベースに献立を立てられれば、気持ちの余裕が生まれますね!
献立は、月・火・水だけを考えればいい
掲載されている考え方はどれも気づきがある内容ですが、筆者が面白いなと感じたものをいくつかピックアップします。
■「子育て中の20年間は10個のレシピがあれば乗り切れる」
子育て中はフルマラソンのように忙しい。得意な手持ちレシピ10個を使い回すだけで十分。■「迷ったらとりあえず肉を焼く」
味付けは、肉を焼きながら決めれば大丈夫。味噌風味、醤油風味など。■「献立は、月・火・水のみ考える」
頑張って一週間分の献立を考えても、週後半にはバテててきて、予定通りにつくれないこともある。週後半は、前半で使いきれなかった材料を使えばいい。
どうでしょう、どれも気持ちを楽にする内容ではないですか?料理するとなると、決められた手順を守らないとダメ、という思いこみがち。それらを覆し、リラックスして料理する後押しをしてくれる考えばかりです。
品数を多くする方が楽って、どういうこと?
筆者が特に関心を持ったのは、「品数が多いほど楽」という考えです。
逆に大変になるのでは?と思ったのですが、読み進めると実は違いました。上田さんが勧めるのは、メニューをバラすこと。
バラすって、いったいどういうことでしょうか?本では酢豚の例を出して説明しています。酢豚は、豚肉を揚げて別の皿に移し変えておき、ピーマンは火を止める直前に加えるなど、ひとつのメニューなのに工程が多くて面倒です。
そうではなく、豚肉、ピーマンそれぞれで一品つくろうよ、と上田さんは提案しています。
たとえば、豚肉と野菜炒め、ピーマンのナムルをつくる方が酢豚よりも簡単ですよね。筆者はメニューにこだわるあまり、一品つくるのに時間をかけていました。しかし、メニューをバラす、という考えを知ってから料理への抵抗が弱まりました。
本を参考に料理!息子に食べさせてみたら……
本の後半部分には、もちろんレシピも掲載されています。人気のサバ缶のアレンジメニューや、蒸し料理など、どれもシンプルな作りかたが魅力的です。
筆者は、上田さんの考え方や小技を参考にして、息子のために料理をしてみました。それがこちら。
上段左から「ナスと豚肉のエチュべ(味噌風味)」「自家製フライドポテト」「お麩の卵とじ」です。お米と味噌汁は本を参考にせず、いつも通りつくったものです。
ナスと豚肉のエチュべ(味噌風味)
エチュべとは、素材の水分をフルに使い、旨味を引き出す調理法のこと。シンプルに言うと、蒸し煮です。息子は水気が多い料理が好きなので、このメニューを選びました。同じ食材でも調理法が違うだけで、子どもは食べないのですよね。
レシピは本から引用。
材料(3人分)
なす 3〜4本
豚薄切り肉 250g
ごま油 大さじ1
みそ 大さじ1
砂糖 大さじ1/2
みりん 大さじ11:なすは輪切りにして水に5分ほどつけ、水気を切る。豚肉は一口大になるように折りたたむ。調味料は合わせておく。
2:フライパンにごま油となすを入れ全体を混ぜ、さらに豚肉を入れ、水1/3カップ(分量外)を加えて蓋をし、中火にかける。4分ほど加熱し、蓋を取り水分がなくなったら、なすと豚肉に軽く焼き色がつくまで焼く。仕上げに合わせた調味料を加えからめる。
加熱時間が短くアルコールが飛ばないので、筆者はみりんは省略し、砂糖の分量を増やしました。また、豚肉は冷蔵庫にあったモモスライスを使いました。
息子の反応:最初は慣れない味付けだからか、口に入れた直後にペッと出してしましました。「失敗か」と気落ちしたものの、他のメニューを食べ進めるうちに興味を持ち始め、なすを自分でフォークに刺して食べていました。一安心です。
自家製フライドポテト
こちらは、野菜を食べるには揚げ物が一番、という小ワザを参考につくりました。揚げ物と聞くと油が心配ですが、大きめに切れば油と接する面積が小さくなるので、思ったよりもヘルシーな仕上がりです。
こつは、コールドスタートといって、冷たい状態で油を鍋に入れ、温める調理法を採用することです。高温の油に入れると水分が油に溶け出してパリパリになってしまうのですが、コールドスタートでは水分が素材に残ります。加熱中に触れすぎると、水分が油に溶け出してしまうので、放置するのが大切です。じっくりと火を通している間に、もう一品つくれるメリットもあります。
筆者は、中玉のじゃがいも3個と冷蔵庫に余っていたカボチャを揚げました。じゃがいもは大きめのくし型切りに、カボチャも大きめにカットして15分ほど揚げて柔らかくしました。ほかにも、人参、こぼう、さつまいもなどを入れるのもありですね!
息子の反応:つくった3つのメニューの中で、一番食いつきがよかったです。我慢できないのか、手づかみでポテトを食べていました。このメニューは保育園がおやすみの日のおやつに使えると確信しました!
お麩の卵とじ
手元にある食材を使った即席メニューとしてつくりました。つくりかたは簡単!お麩を数個水で戻し、だし汁で煮て卵で閉じて終わり。
ご飯にかけてもいいし、筆者のように別皿だによそっておかずとして食べてもオーケーです。ちなみに、隣のコンロでフライドポテトを揚げている時にさっとつくりました。数分あればできるので、忙しい時にありがたいメニュー。
息子の反応:お麩や高野豆腐などの乾物が好きな息子には、大ヒットしました。最初はお米と別々に食べていましたが、そのうち「アー!」と言って、お米と一緒に食べさせることを求めてきました。
まとめ
育児中はバタバタしがちで、しっかりとした献立をつくれないことが多いものです。でも、『子どもはレシピ10個で育つ。』を参考にすることで、料理のハードルが一気に下がりました。
大食いの息子は、何よりも食べることが大好き。毎日何をつくろうか悩んでいましたが、これからは得意レシピを思い切り使い回し、今ある食材を使ってアレンジして献立をつくろうと思います。