【今日の読み物】ゲームもない!テレビもネットもない!現代っ子が電波なしアウトドア生活を楽しむ10の方法

現代人は「電波とつながっていることが当たり前」。テレビを見て、電話して、Wi-Fiでゲームやタブレットをつなげて……大人だけでなく小さな子どもにとっても、電波でつながる電子機器は当たり前の存在になっています

でも、つながり続けることで、見逃していることもあるかもしれない──。そう思った筆者は、現代っ子小学生と大人2人で脱電波の生活を4泊5日実行しました

電波のない森の奥で4泊5日家族旅行…長すぎる?!

今回の宿泊は4泊と長いのでテントではなくバンガローを選択。布団で寝られ冷蔵庫とキッチン、風呂トイレ付と快適アウトドアです。しかし、バンガローでの4泊5日の宿泊を決めたときの息子と夫の感想は「……長すぎる」でした。

それもそのはず。わたしたちが宿泊先として選んだ場所はかなりの山奥で、コンビニやスーパーも車で30分行かないとありません。(地元の人が利用する何でも屋さんのような的なお店は車で10分の場所にあり)テレビなし・スマホもつながりにくい・Wi‐Fiもなしという環境だったのです。

テレビゲームが好きな小学生息子とオンラインゲームが大好きな夫、そしてテレビ大好きな筆者。4泊5日もこの環境でどうやって過ごすか、家族全員がドキドキしながら、アウトドア生活がスタートしました。

1.朝食をテラスでゆっくり食べてみる


朝食が豪華になるようにお気に入りのマグカップも。

たとえば、いつもなら朝はパンとコーヒーを、テレビで天気予報など見ながら食べていますが、バンガローには広いテラスがあったので、持参したテーブルやチェアを出し、自然光を浴びながら家族でゆっくりと食事をしました。


焼き立てパンと地元のハムを一緒にゆっくりあぶって。

1日目は、ホームベーカリーを持ち込みパンを焼き地元のハムをあぶってサンドイッチに。

2日目は、そのパンをフレンチトーストにして、地元のソーセージと一緒に。

3日目は、前日の夜ご飯のカレーを食べるために、朝から鍋でご飯を炊いて。

4日目は、前日の山菜ごはんを焼きおにぎりにして。

どの調理も、外に出したカセットコンロで夫と息子に参加してもらいながら作りました。アウトドアの定番ではありますが、家族全員で朝食を作るというのはやはり会話が増え清々しい気持ちになります。

2.毎日温泉はマスト!車で10分圏内がコツ

家族全員が楽しめるものといえば、やっぱり温泉です。これはバンガローを選ぶ際に「温泉がそばにあるバンガローを選ぶ」ことがコツです。遠くても車で10分くらいの距離までなら、毎日通うのも苦にはなりません。今回宿泊したバンガローは徒歩5分+車5分の距離でした。

4日間毎日温泉につかれるというのは、とっても贅沢。できれば「バンガローを利用している人は無料」とか「町営で格安」などの温泉施設があると家計orお財布にも優しいです。思いがけず温泉後は地元特産のアイスを食べる楽しみもあり、息子が地元特産のフルーツ味にはまって「毎日温泉入って、このアイス食べられて幸せだなぁ」と嬉しそうでした。

3.フィールドワークで「思い出BOX」を作ってみたら想定外の事態に…


フィールドワーク中、苔に魅了されてたくさん撮影。

フィールドワークとはその場所を調査探索すること。家族でバンガロー周辺の森を散策しながら、心にとまった石や落ちている木の実や鳥の羽根をひろって思い出BOXを作れたら素敵だなぁ…と、100円ショップで仕切り付きのBOXを用意しました。


男の子の拾うものはちょっと思っていたのと違う(笑)

蓋を開けてみると、ママの思惑はどこへやら、息子も夫も意外なものばかり拾います。

黒板になる石とチョークになる石、水晶っぽい石(笑)、そして鹿のフン(数か月たったものなのでしっかり乾燥されてます)まで……。

ロマンチックのかけらもありませんでしたが、面白おかしく楽しい時間を過ごせました。

4.地元の人にどんどん話しかけて「楽しい場所発掘」


地元の人に教えてもらった黒板石とチョーク石。

4泊ともなると、ちょっとそこに住む感覚も味わいたい……という気持ちも芽生えます毎日のように顔を出すお店の店員さんや、バンガローの管理人のお兄さん、畑仕事をしているおばちゃんに積極的に話しかけて、地元の情報をもらうようにしました。

すると、「魚が釣れやすい場所」や「山菜が取れる場所」「珍しい鳥がいる池」などを教えてもらえたり、山菜をいただいたりと嬉しい交流がありました。最終日は皆さんに挨拶をしてから帰路につきました。

5.子どもも夢中!山菜採りをして料理を楽しむ


ワラビの上手な採り方は地元の人に教えてもらった。

地元の人に教えてもらい、山菜採りをしました。ワラビ、コゴミ、行者ニンニク、山椒、ヨモギなど道端に生えているものから、地元の人に教えてもらわないとわからない場所まで。


ワラビの炊き込みご飯、山菜天ぷら…山のごちそう!

山菜の食べ方も地元の人に聞いて(なんせ電波がつながっていないもので調べられない!)アク抜きをして家族で料理をつくりました。自宅では絶対にできない自分たちで摘んだ山菜で山菜パーティー!

帰宅後に息子に一番楽しかったことを聞くと、意外にも「山菜採り」との答えが。森や道端に生えている野草を食べることがとても新鮮だったようです。

6.家族でまぼろしの鳥を追った結果アナグマに遭遇


偶然出会った野生のニホンアナグマ。(息子撮影)

この地域で見られる珍しい鳥は「アカショウビン」。まぼろしの鳥の情報を集めながら、家族であちらへ行き、こちらへ行きと池や草原、渓谷や森を歩きました。

残念ながらアカショウビンには出会えなかったのですが、アンテナを張っていたおかげで、「ニホンアナグマ」や「オオルリ」などの珍しい動物に出逢うことに!

特にニホンアナグマは、野生なのに5mの距離まで近づいても逃げることがなく、ずっと餌を探していたのでたくさん写真が撮影できました。この体験に息子は大興奮していました。

7.洗濯物を手で洗って絞って家電に感謝


タオル絞りに一苦労…洗濯機よ、いつもありがとう。

電気はありますが洗濯機はありません。4泊するので、下着は多めにもってきたものの、バスタオルの枚数には限界が。天気のいい日に手洗いしました。もちろんいつもは全自動洗濯乾燥機にお任せなので、洗うのも絞るのも一苦労!

生乾きのまま取り入れて温泉に行くのもご愛敬。作業の途中「洗濯機って本当にありがたい家電なんだね」と息子がため息まじりにつぶやきました

物干しとして使用したのは持参した「物干しにもなる折りたたみ式ハンモック」です。4泊のアウトドアでは何らか干す必要があり、この物干しは大活躍。もちろん、物干しが必要ない時はテラスでハンモックになり、息子の昼寝スペースにもなりました。

8.持ってきたカード&ボードゲームに興じる


他にも「人生ゲーム」「お化け屋敷ゲーム」を持参。

雨の日の夜は星空も楽しめないので、持ってきたカードゲームやボードゲームを楽しみました。

普段、夜といえば「夫と息子でテレビゲーム」か「テレビを見る」というものが定番。しかしその二つができないとなると退屈するかもと思い持参したものです。

案の定、雨の夜が2日もあり、カードゲームやボードゲームがとても役立ちました。いつもより灯りが暗いのも非日常らしく気持ちが高揚。何度も「もう一回やろう」という息子に応えるのに、大人は一苦労でしたが……(笑)

9.子どもと同い年くらいの宿泊客に声をかけ友達になる


子どもはお酒がなくてもあっという間に友達に。

子どもと同年代くらいの子が泊まりにきていたので声をかけてみたら、偶然息子と同い年で「野鳥撮影が好き」と、同じ趣味を持っている子でした。

その後二日間、彼らは意気投合し、野鳥を一緒に探したり走り回ったりと、とても楽しそう。

連絡先も交換し、子どもにとっては「学校以外で趣味の合う初めての友達」となりました。声をかけていなければ、話すこともなかったかもしれない、まさに一期一会の出会いです。

10.ナイトハイクは星空の下でティータイム


ムササビの目をみつけたので、スコープで拡大中。

ナイトハイクとは、夜におこなうハイキングのこと。星空を見たり、夜行性の動物を見つけたり、昼間とは違うワクワクを楽しめます。大人であれば、昼間下見をすればある程度安全を確保できますが、小さな子ども付きとなるとそうもいきません。

我が家も今回は地元のガイドさんが行っているナイトハイクに参加。家族だけで夜の森を動くのは危ないと判断したからです。(一人1,000円ほどかかりました)

この日は、参加予定だった他のグループがキャンセルしたことでガイドさんを独り占め。おかげで「普段は入れない場所」にまで案内してもらい、野生のムササビとシカを見つけたり、野生のフクロウの声を聴いたりと堪能しました。

また、最後には森の木々の切れ間からたくさんの星を眺めながらティータイム。授業で習った星座を息子が大人に教えてくれました。温かいお茶とレジャーシートをリュックにいれておけば楽しめるのでおすすめです。

4泊5日、自然にどっぷりつかると子どもの目がキラキラしてくる!


カエルにさわれることも親は初めて知った!

正直言うと、大人がテレビやスマホゲームなどに時間を費やすことなく、その時間をすべて自然と家族と過ごすことに使うのはエネルギーがいります。筆者は途中、一人で昼間からビールを飲んで息抜きすることが必要でした。

しかし、子どもはこの生活にあっという間に慣れ、朝は4時から起きて野鳥を探しに行ったり、「地元の人に積極的に話しかけよう」と声かけをしたことで地元の人と交流し、想像以上に新しい世界を満喫。

相当楽しかったらしく、帰宅後の息子の感想は「短すぎた!!」でした。(夫の感想はご想像にお任せします)

電波のない生活で得るものがたくさんあった──、が今回の筆者の感想。「我が家は電波とつながりすぎ」と思ったら、たまには家族全員で電波オフ。こんな旅行も年に1回なら悪くないかもしれません。