【今日の読み物】子どもだってくつろぎたい!いま話題の泊まれる本屋BOOK AND BED TOKYOに行ってきた

こんにちは。イラストレーターひらたともみです。

「高卒。趣味はハイボールを飲みながら読書。」

これ、私のプロフィール。フリーランスにとってプロフィールは髪の毛と同じくらい大事。

学もない、友だちもいない中年女が、ひとり寂しく『ノルウェイの森』を読んでいる姿しか想像できない一文プロフィールだが、それもまんざら嘘じゃない。

好きな場所は本屋だし、出費の多くは本につぎ込んでいる。本に埋もれて眠りたい。一晩中、本のインクの匂いを嗅いで眠りたい…!そう思っていた昨今、ネットで「泊まれる本屋」の文言を発見。BOOK AND BED TOKYOだ。

入り口からトリッキー! BOOK AND TOKYO ASAKUSA

BOOK AND TOKYOのコンセプトは「泊まれる本屋」だが、本は買えない。本屋さんのような空間に共同のシャワー、トイレ、洗面所を備え、低価格で泊まれるホステル。アルコールや軽食を注文することもできる。宿泊せずにデイタイムのみの利用も可能だ。

池袋を本店に新宿店・浅草・京都・心斎橋・福岡と、ホームページをみただけで今後の全国展開が予想される。ひとまず娘と宿泊するためセミダブル希望。浅草店に予約をとった。

ここで注意していただきたいのは、予約はもちろん店内のサービスも現金はつかえないこだ。田舎者には若干ハードルがあるが(個人差あり)、一枚もカードを持っていないという人は、令和の記念に一枚くらいカードを作ることをオススメしたい。

そして宿泊当日。

まず、フロントからトリッキー。やばい人と面会してる気分にさせてくれる金網越しのフロント。

カードキーで、ロックを解除したものの、「あのぉ~、どこですかね?ドア…」ってなる。

愛想のいいフロントの兄やんが、金網から指出して、「そこです、そこ!」と示す先は従業員ロッカー。

「え?え?」と戸惑う私をよそに、娘が力いっぱいその従業員ロッカー(みたいな)ドアを引っ張ると、そこには、私の求めていた夢の世界が広がっていた。

小学生でも楽しめる 本好き人間極上の空間

一歩踏み入ると、ブックカフェのような雰囲気。中央には大きめなソファがあり、窓際からは浅草の町並みを眺めることができる。大きな書籍棚の間にカーテンがあり、そこがベッドスペースになっている。

ベットに入るそうそう「秘密基地みた~い!!」とはしゃぐ娘。

正直、私だってワクワクしていた。なにを読もうか、どこに座ろうかで、鼻血が出そうになるのを必死に阻止するのにせわしなくなりながら、あれも読みたい、これも読みたいと、胸が高鳴り、「とりあえずハイボール開けていったん落ち着こ。」と自分に言い聞かせる始末…!

実は、ここにくるまで「小学生が楽しめるのか」と少し不安だった私。

ホステルには何度か宿泊したことはあるものの、ここは読書好きな大人の空間。大声出すこともかくれんぼすることもできないのだよ?と教えてきたものの、丸一日は無理だろうなと思っていたのだ。

ところがどっこい!…だ。全体的に大人向けの本ばかりかと思いきや、よく見るとそうでもない。

小学生向けの伝記や、イラスト図鑑、仕掛け絵本まであり、娘も退屈することもなく読書を楽しみ、人一倍満喫した様子だった。帰り際には「東京に来るときは絶対また来ようね!」と、私の小指をねじ込んで指きりげんまんまでさせられたくらいだった。

悲しきかな、好きなときに誰にも邪魔されず、ゴロゴロしながら本を読むという「ていたらく」は、大人同様多忙な小学生の貴重なリラックスタイムになったのかもしれない。

酒を飲みながら混沌とした現実から逃げる手段で本を読む私と、さきイカをたいらげ、本の世界に目を輝かせる娘。BOOK AND BED TOKYOは正々堂々「趣味は読書です」の人たちが集まる、楽園のような場所だった。

店舗によって内装も違うので、別の店舗にもぜひ泊まってみたい。

そう。そしてスマホばかりで活字離れしている若者へ伝えたい。

本なんていつでも読めると鷹をくくってると、あっという間に老眼だよ?

ひらたともみ

2007年、30代でフリーのイラストレーターになる。
横に大きめ夫+息子2人+娘1人の5人家族。
20代、30代、40代で出産を経験し、自ら偉人を名乗っている。
趣味はハイボールを飲みながら読書or映画。俳優の窪田正孝をこよなく愛している。
No Smoking. 栃木県宇都宮市在住。