新型インフルエンザについて知っておいてほしいこと

この記事は、三井住友海上火災保険株式会社(協力 インターリスク総研)の情報提供の元、コモリブスタッフが執筆しています。

新型インフルエンザのニュースが世の中に広まったのが2009年。あれから7年がたちますが、実は、インフルエンザウィルスの変異によっては、またさらなる新型インフルエンザウィルスが誕生する可能性があります。世界規模で人的移動も多くみられる現代においては地球規模での大流行が発生する可能性があるのです。

そこで、今回は冬季に流行する季節性インフルエンザと新型インフルエンザの違いなどを中心に、新型インフルエンザにも対抗できる対応策についてまとめてみます。

新型インフルエンザと季節性インフルエンザの違いは?

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そもそもインフルエンザってどんなもの?

インフルエンザの原因となるのがインフルエンザウィルス

このウィルスが体内に侵入すると細胞に感染、細胞内で爆発的に増殖し、高熱やのどの痛みなどの症状を引き起こす病気です。感染してから発症までの潜伏期間は2~3日といわれていますが、中には10日程度かかる場合もあるようです。

多くの場合は感染者の咳やくしゃみなどからの飛沫感染で伝播します。

季節性インフルエンザ

インフルエンザの中で、毎年冬季間に流行が見られるのが季節性インフルエンザといわれるものです。

季節性インフルエンザは、これまでにも流行したことがあり、基本的には多くの人がそのウイルスに対抗できる免疫能を獲得していると言われています。

免疫を獲得していても、毎年のようにインフルエンザにかかる人もいますが、これは、インフルエンザウイルスの表面にあるタンパク質でできた突起(抗原性)が小さな変化を繰り返す為、以前に感染して免疫がある人も再び感染を受け、流行を繰り返すのです。

新型インフルエンザ

新型インフルエンザは、インフルエンザウイルスが遺伝子の変異などにより抗原性が大きく変化をしたもので、これまで鳥類や家禽などの動物間でしか感染しなかったものが、偶発的に人に感染するようになり、さらに、動物から人のみでなく、人から人への感染ができるようになった時に発生します。

新型インフルエンザは、これまで流行したこともなく、当然ながら、多くの人が新しいウイルスに対する免疫を持っていない状態です。そのため、爆発的な感染(パンデミック)を起こす危険性があるのです。

新型インフルエンザはなぜ怖い?

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新型インフルエンザを警戒する理由は、多くの人が免疫を持っていない上に、従来のワクチンが効かない可能性もあり、感染性が高まる危険性が高いからです。

人や物資の移動も多く見られる現代においては世界的な大流行の可能性もあります。また、これまでに発生したケースがないことから、どのような症状を引き起こすのかが不明確です。

政府は新型インフルエンザの発生時の被害想定も算出しており、全人口の25%が罹患、死亡者数は症状の重篤さによって幅がありますが、なんと約17万人〜64万人の死者が出るという想定が出ているのです。

25%ということは4人に1人、一家族に1人と考えるとかなりの数ですよね。他人事と考えて見過ごすことは危険であると言えます。

新型インフルエンザが国内で発生するとどうなるの?

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新型インフルエンザが国内で発生し、国民生活に甚大な影響を及ぼす恐れがあると認められた場合には、政府が「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」を行うことが法律で定められています。

致命率が高く、国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与える恐れがある新型インフルエンザが発生した場合には、外出の自粛要請や、学校などの施設の使用制限、他にもさまざまな事業における業務縮小等によりヒト同士の接触機会を抑制する措置が講じられ、国民生活に大きな影響を及ぼす可能性が出てきます。

特に、子どもが一堂に会する学校や保育園はいち早く休校・休園となる可能性が高くなります。この場合、保護者の会社への出社対応が困難となることも考えられるのです。

新型インフルエンザへの対策は?

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それでは、そんな恐ろしい新型インフルエンザを予防するにはどんな対策をとれば良いのでしょうか?

正確な情報の収集を積極的に行おう

新型インフルエンザに関しては、不確実なことが多く、その症状や重篤性や感染力などの予測が困難であるため、正確な情報を収集することが大変重要となってきます。

ニュース等で正確な情報を収集し、必要な場合は公共機関等に問い合わせをするなど、ただ情報を待っているだけでなく積極的に情報を収集しましょう。

感染を防ぐ予防対策は?

新型インフルエンザの症状や感染経路は未確定ではありますが、基本的には季節性インフルエンザと同様に、発熱、せき、といった初期症状や飛沫感染、接触感染が主な感染経路と推測されています。

つまり、個人単位としては、季節性インフルエンザと同様の感染予防対策が重要となってきます。

感染しないために、外出を控えたり、外出時にはマスクを着用するなど、ウィルスとの接触機会を減らすことは有効です。

子どもに感染させないための予防対策は?

もちろんマスクをしたり、外出を控えることは、子どもを感染から守るためにも有効的。

手洗い、うがいを励行するのはもちろん、室内では適度な湿度を保つなどウィルスの体内への侵入を防ぐことで感染を予防することができます。

充分な休養、バランスの良い食事で免疫機能を高めた身体を維持することなども重要となります。

体が小さく、大人よりも症状が重篤化してしまう可能性の高い子どもに対する感染予防は特に念入りに行ないたいものですね。

もしも、新型インフルエンザに感染してしまったら?

仮に感染してしまった場合には咳・くしゃみの際はティッシュなどで口と鼻をおさえるなど咳エチケットを遵守し、マスクを着用するなど、他の人への感染を防ぐ工夫が望まれます。

特に咳やくしゃみをする場合は、他の人から1m以上離れる、鼻をかんだティッシュは蓋つきのゴミ箱に捨てるなどの感染を広げない気遣いが必要です。

周囲に感染が疑われる人がある場合はマスクの着用を促すなど、周囲に対して感染予防の意識を高めることを積極的に発信していきましょう。

新型インフルエンザから家族を守るために

新型インフルエンザは、致死率が高くなるのではないかなど一方的に恐怖心をあおるだけの情報が流れていたりもします。

しかし、必要なのは正確な情報。現時点では、致死率も、感染力なども未知数です。必要以上に恐れる必要はありませんが、正確な情報を収集すると同時に、季節性インフルエンザ予防にのっとった手洗いうがいなどをしっかり行ないましょう。

体の温まる食事やバランス面にも配慮した食生活を心がけ、特に子どもには充分な睡眠時間を確保するなど、免疫力を向上させるような生活を心がけたいものです。

三井住友海上火災保険株式会社監修(協力 株式会社インターリスク総研)

三井住友海上は、保険金お支払業務やお客さまへのご提案を通じて蓄積した事故防止のノウハウを活用し、個人のお客さま向けに日常生活で実践できる事故防止対策など、さまざまなニーズにあわせてご案内することで広く事故防止や防災・減災につながる取り組みを行っています。