読み聞かせにぴったりな絵本10選。子どもに読んであげよう

5.「いちごばたけのちいさなおばあさん」

いちごばたけの下には、小さなおばあさんが住んでいる。そのおばあさんのお仕事は、いちごを赤く色づけること――。

この本を読んだ時の、なんともいえないワクワク感、幼いながらに感じた読後のほっこりと優しい気持ち…ン十年経った今でも思い出すことができます。

おばあさんが、赤いペンキを自分で作るシーンなど、なんとなくリアリティも感じられて、余計に惹きつけられます。「いちごって、こうやって赤くなるのかな?」とまでは思いませんでしたが、色づくいちごを見るたび「おばあさんが色を付けてたりして」と楽しい気分になったものです。1983年発行。

【作者】作:わたり むつこ、絵:中谷 千代子
【出版社】福音館書店
【価格】800円(税別)
【対象年齢】4歳~(読んであげるなら)

6.「こんとあき」

「はじめてのおつかい」「あさえとちいさいいもうと」などで知られる林明子さんの絵本。他の作品もすごく良いので、どれにしようか本当に迷ったのですが――ぬいぐるみの“こん”が巻き込まれるハプニングが、かわいそうだけど、ちょっと笑えてしまう点でこの作品をピックアップ。いや、子どもは笑えないかもしれませんが…。

外の作品同様、子どもの気持ちの揺れ動きを絶妙に描き出されています。“こん”と2人で電車に乗って旅に出ることになって、いろいろと心配な事も起きるけど、最後には包み込まれるような安堵を感じることができますよ。

【作者】林明子
【出版社】福音館書店
【価格】1300円(税別)
【対象年齢】4歳~(読んであげるなら)

7.「だるまちゃんとてんぐちゃん」

シリーズものの絵本は数あれど、外すことができないのが「だるまちゃん」シリーズ。初見は1967年というから、パパやママが子どもの頃でも既に人気作品だったはず。かくいう私も、実家の本棚から引っ張り出して、息子に読んであげたことがあります。親子で同じ絵本を楽しめるのって、いいですよね~!

「だるま」というのがまず日本的。出てくる遊び仲間も写真の「てんぐちゃん」の他に、「かみなりちゃん」「だいこくちゃん」など、日本の昔話を下敷きにしたようなキャラクターが多くて、とても親近感がわきます。いろんなお友達との遊びから思わぬ展開が生まれていく様子に、きっと引き込まれるはず!

【作者】加古里子
【出版社】福音館書店
【価格】800円(税別)
【対象年齢】3歳~(読んであげるなら)

8.「ラチとライオン」

世界で一番弱虫な男の子ラチは、犬や暗闇が怖くてしかたありません。そんなラチの前に現れたのが、強いと憧れていたライオン!ラチはライオンの特訓を受けて強くなっていきます。

ラチの苦手なものは、おそらく多くの子どもたちの苦手なものと同じ。そして「なんとか暗い所に行けるようになりたい」「犬の横を通れるようになりたい」と思っているのも同じ。なんとなく恥ずかしいから言えないけど、克服したい。そんな子どもたちが、ラチに共感するのは当然なのかも。

「強くなる」といっても、力が強くなる、ケンカが強くなるというのとは違います。自分に打ち勝つ力、勇気を自分で手に入れて行く成長の物語。

【作者】マレーク・ベロニカ
【出版社】福音館書店
【価格】1100円(税別)
【対象年齢】4歳~(読んであげるなら)

9.「100かいだてのいえ」

「ん?この本、どうやって読むの?」――ページを開く最初の段階からワクワクさせてくれる縦開きの絵本。主人公のトチくんがお手紙をもらい、その相手を訪ねて行くのですが、お相手はとんでもなく高い建物や、深~い場所に住んでいて…。

「100かいだてのいえ」という発想が子どもの想像力をビシバシ刺激します。読みながら「この階には、こんな生き物が住んでるんだね」「面白い形してる!」なんて、いろいろと発見ができるのも魅力。しまいには、面白いところを探すのに終始してしまったり…でも、それも楽しみ方の1つです。

【作者】岩井俊雄
【出版社】かいせいしゃ
【価格】1296円(税込)
【対象年齢】3・4歳~

10.「ともだちや」

小さなお子さんに読んであげるのもいいけれど、小学生ぐらいのお子さんに読み聞かせてあげたい絵本。「ともだちになる」ことを商売にしてしまうキツネですが、ちょっと強引なオオカミとの触れ合いの中で、本当の「ともだち」とは何かに気付きます。

「お友達と仲良くね」「お友達は大切だよ」――言葉にするとどこか説教臭くなってしまいますが、表情豊かなこの絵本を読んでいると自然にその思いが伝わっていきそうです。
「ともだちや」の呼び込みのセリフを、ぜひ楽しんで読んでみてくださいね。

【作者】作:内田麟太郎、絵:降矢なな
【出版社】偕成社
【価格】1080円(税込)
【対象年齢】3・4歳~

子どもの好奇心を刺激する本に出合おう

いかがでしたか?このほかにも、面白い本、読んであげたい本はたくさんあります。

本屋さんや図書館に足を運んで、本に触れあう楽しみをぜひ感じてください!出版社記載の対象年齢は、自分で読むことを前提としているので、あまりとらわれずに読んであげてくださいね。