補陀洛山寺は浜の宮王子の守護寺、また那智権現所属の七ヶ寺の本願のひとつで、補陀洛渡海の出発点として知られるお寺です。補陀洛渡海とは、平安時代から江戸時代にかけて、小さな船に外から釘を打ちつけて航海に出て、「生きながらにして観音浄土を目指す」というもの。2004年7月にユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録されました。重要文化財に指定されている、ご本尊の千手観音は苦悩する人々を救うとされ、見どころのひとつです。
金剛峯寺の名称は、弘法大師が命名した、高野山一山の総称。豊臣秀吉が亡母の菩提のために建立した青巖寺・興山寺を合併し金剛峯寺と改称、全国の末寺を代表する総本山となりました。宗派にとらわれず、たくさんの参拝客、お遍路さん、林間学校のこどもたちが、四季を通じて訪れているお寺なので、子ども連れにも大人気の場所です。
明石市立天文科学館にある日本標準時計塔の奥に佇む曹洞宗の寺院。境内には、枯れることのない霊泉で万病に効くといわれている「亀の水」や明石市指定文化財で豊臣秀吉が建立したものを移設した「山門」、美しい「八房の梅」など多くの見どころがあり、散歩して回るのも楽しそうですね。
江戸時代に浅野家の菩提寺として建立された、歴史ある曹洞宗のお寺です。浅野内匠頭長矩や赤穂義士の墓である義士墓所、浅野家や義士に関する貴重な資料を展示する宝物館、千手観音尊像・四十七士の彫像を安置する義士木像堂などがあります(要参拝料)。赤穂城の塩屋惣門を移築した山門は赤穂市指定文化財となっていますよ。
京都の観光で人気の八坂通にある八坂庚申堂。日本で一番古い庚申堂で、日本三大庚申のひとつ。本堂や境内には色とりどりのかわいらしいお守りが鈴なりになっており来る人の目を惹きつけます。このお守りは「くくり猿」といって、手足を縛られて身動きできなくなっている姿を表現しています。「くくり猿」で欲望をくくりつけることによって、願い事が叶うとされています。欲望封印のパワースポットとして高い人気を誇っています。
天下分け目の戦いの後、豊臣家が完全に滅ぼされることとなった大阪冬の陣夏の陣。その戦いのきっかけとなった「国家安康・君臣豊楽」の文字が刻まれた梵鐘が、ここ方広寺にかけられています。鐘の文字は今もくっきりと見ることができ、歴史に思いを馳せることができます。戦国時代にはとても大きな大仏が建てられていたそうですが、様々な災害に合い再建されては何度も消失し、現在は大仏殿も大仏も無く、小舗石や板石などで位置を地表に明示されています。そのような歴史から、無常を肌で感じることができる、そんな不思議な寺院です。子どもさんと方広寺の歴史について、色々と語り合ってみるのもいいかもしれません。
中風除けを祈願するカボチャ供養で有名な浄土宗のお寺。通常は非公開のですが、カボチャ供養の日と、桜や紅葉の時期に合わせて一般公開されています。山門に向かう石段沿いのもみじがとてもきれいで、散ったもみじが石段に敷き詰められた様子は美しいと有名です。本堂では、30分おきに住職がお寺の縁起や仏像などの説明をしてくれます。南禅寺や銀閣寺、哲学の道と合わせて歩きながら歴史を感じながら四季も感じられます。
新撰組誕生の地として有名なお寺。重要文化財に指定されている文殊塔、吉備観音と見どころも豊富。春は桜、秋は紅葉スポットとしても知られています。敷地内には美しい日本庭園や池があります。小さな石橋を渡り、竹林へと進むルートは木々に囲まれていて緑豊か。子どもの手を引いて、どんな花や木があるのか語り合いながら歩いてみませんか。
京都の小倉山麓にある寺院。境内にある鐘は「幸せの鐘」と呼ばれていて、3回撞いて人類の平和を祈るというものです。参拝に訪れた方なら自由に鐘を鳴らすことができますので、子どもも大きな音を自分で鳴らすことに喜ぶことでしょう。秋は紅葉の名所としても知られています。「紅葉の馬場」といわれる参道の両脇に木々が立ち並び、美しく赤く染まったその光景は紅葉のトンネル。子どもと一緒に色鮮やかなトンネルをくぐってみませんか。
広隆寺は飛鳥時代の推古天皇11年に、秦河勝が聖徳太子から賜った仏像を本尊として建立した京都最古の真言宗の寺院です。見どころは、2回の火災に遭いながらも難を免れた、国宝第1号に指定されている「宝冠弥勒菩薩像」。現在、広隆寺には仏像だけでも国宝7件17点重要文化材28件31点を寺宝として保有。ほとんどのものが新霊宝殿で拝観できます。また、聖徳太子が住んだとされる「桂宮院」もぜひ見学したいポイント。4月・5月・10月・11月の日曜日・祝日のみ公開されているので、そこに合わせて訪れるのがおすすめですよ。
西芳寺は、庭園内を約120種類の苔が覆い、まるで緑のじゅうたんを敷き詰めたような美しさから苔寺と呼ばれています。約9千坪の広さの庭園は、1年中美しい景観が楽しめるので散策にぴったり。特に紅葉の時期は、色鮮やかな紅葉と苔の組み合わせに目を奪われます。西芳寺は1977年から一般の拝観を中止しているので、拝観するには事前の申し込みが必要です。拝観の際には見開きが珍しい御朱印を記念にいただくのがおすすめですよ。
臨済宗妙心寺派の大本山。開基を花園法皇、開山を関山慧玄とします。応仁の乱によって焼失後、乱後雪江宗深が再建、現在は末寺を3400まで数える臨済宗各派で最大となっています。法堂の鏡天井には8年の歳月をかけて描かれた雲龍図があり、どこから見ても龍がこちらを睨んでいるように見えることで有名。他に日本最古の梵鐘、浴室(明智風呂)が拝観できます。一般の方を対象とした座禅会や写経会なども開かれています。
萬福寺の第6世、千呆性侒(せんがいしょうあん)が開創した寺。千呆和尚は薬師如来を尊崇していましたが、度重なる本堂焼失により現在は釈迦如来となっています。境内裏山にある五百羅漢の石像群は、絵師の伊藤若沖と住職が共同制作したもの。若沖の墓と、書家の貫名海屋(ぬきなかいおく)の筆塚も当寺にあります。境内には四季折々の草花が咲き、石像には年月と共に苔が蒸し、素朴で静かなお寺の雰囲気をつくりあげています。
京都市伏見区にある日蓮宗寺院。本堂、鬼子母神が祀られた千仏堂、七面大明神を祀る七面堂など、複数のお堂と門からなっており、その内の本堂と四脚門、多宝塔は国の重要文化財にも指定されています。中でも多宝堂は室町時代に建てられた行基葺という珍しい屋根が特徴的。源氏物語第33帖「藤裏葉(ふじのうらば)」の舞台ともなった場所もあり、石碑が建っています。静かな時間が流れる境内を散策してみるのも良いですね。
円仁が天台声明の道場として創建したのが始まりとされる天台宗の寺院。融通念仏の祖とされる良忍がこの寺に入寺し再興されました。木造薬師如来座像、木造阿弥陀如来座像、木造釈迦如来座像が本堂に安置されています。最澄の伝記資料としてきわめて貴重な、伝教大師度縁案並僧綱牒(でんぎょうだいしどえんあん ならびに そうごうちょう)が文化財としてあげられます。“耳”に関するお願いごとの絵馬が多数寄せられるお寺です。